インバータの原理
インバータは直流を交流に変換する回路です。 この記事では、その原理について述べます。
次のようなHブリッジ回路について考えます。 負荷抵抗の端子間電圧が出力電圧です。
この回路で、スイッチとをON、スイッチとをOFFにします。 すると、下図の赤矢印のように電流が流れます。
電流は負荷抵抗を左から右へと流れているので、スイッチのある左側が高電位で、スイッチのある右側が低電位です。
次に、スイッチとがONで、スイッチとはOFFの場合を考えます。 すると、下図の赤矢印のように電流が流れます。
今度はスイッチとがONだった場合とは逆に、電流は負荷抵抗を右から左へと流れます。 つまり、スイッチのある右側が高電位で、スイッチのある左側が低電位です。
したがって、
- スイッチとがON、スイッチとはOFFの場合は左側が高電位で右側が低電位
- スイッチとがON、スイッチとはOFFの場合は右側が高電位で左側が低電位
というふうに、どのスイッチをONにするかで負荷抵抗にかかる電圧の方向を変えることができます。
この1と2を交互に行うことで、負荷抵抗に交流電圧をかけることができます。 つまり、4つのスイッチを操作することで、直流電源しかない回路から交流電圧をつくることができるのです。 これが、インバータの原理です。
おまけ(デッドタイム)
スイッチとがONの状態からスイッチとがONの状態へ切り替えるとき(あるいはその逆をするとき)、すべてのスイッチがOFFの期間(デッドタイム)を設ける必要があります。