nitomath’s blog

分からなかったことのメモ

インバータの原理

インバータは直流を交流に変換する回路です。 この記事では、その原理について述べます。

次のようなHブリッジ回路について考えます。 負荷抵抗 R_Lの端子間電圧が出力電圧です。

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Hブリッジ回路

この回路で、スイッチ S_1 S_4をON、スイッチ S_2 S_3をOFFにします。 すると、下図の赤矢印のように電流が流れます。

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S1とS4がONのときの電流

電流は負荷抵抗を左から右へと流れているので、スイッチ S_1のある左側が高電位で、スイッチ S_4のある右側が低電位です。

次に、スイッチ S_2 S_3がONで、スイッチ S_1 S_4はOFFの場合を考えます。 すると、下図の赤矢印のように電流が流れます。

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S2とS3がONのときの電流

今度はスイッチ S_1 S_4がONだった場合とは逆に、電流は負荷抵抗を右から左へと流れます。 つまり、スイッチ S_2のある右側が高電位で、スイッチ S_3のある左側が低電位です。

したがって、

  1. スイッチ S_1 S_4がON、スイッチ S_2 S_3はOFFの場合は左側が高電位で右側が低電位
  2. スイッチ S_2 S_3がON、スイッチ S_1 S_4はOFFの場合は右側が高電位で左側が低電位

というふうに、どのスイッチをONにするかで負荷抵抗にかかる電圧の方向を変えることができます。

この1と2を交互に行うことで、負荷抵抗に交流電圧をかけることができます。 つまり、4つのスイッチを操作することで、直流電源しかない回路から交流電圧をつくることができるのです。 これが、インバータの原理です。

おまけ(デッドタイム

スイッチ S_1 S_4がONの状態からスイッチ S_2 S_3がONの状態へ切り替えるとき(あるいはその逆をするとき)、すべてのスイッチがOFFの期間(デッドタイム)を設ける必要があります。

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