nitomath’s blog

分からなかったことのメモ

ベース接地時の電流増幅率とエミッタ接地時の電流増幅率の関係式をプロットしたいだけ

この記事ではnpn型トランジスタを前提としています。

トランジスタをベース接地したときの電流増幅率  \alpha とエミッタ接地ときの電流増幅率  \beta には次式のような関係があります。*1

 {\displaystyle
\beta=\dfrac{\alpha}{1 - \alpha}
}

次の図はグラフを  0\leq\alpha\leq1.4 の範囲でプロットしたものです。  0から 1に近づくに連れて、エミッタ接地時の電流増幅率 \betaが大きくなっていくことが確認できます。

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実際のトランジスタではベース接地時の電流増幅率  \alpha 1より少し小さいくらいになります。 ということで、グラフの  0.99\leq\alpha\leq1 の範囲を拡大したものが次のグラフです。(縦軸を対数にしています)

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拡大(縦軸が対数)

秋月電子で売っているこのトランジスタではエミッタ接地時の電流増幅率が最大で 600となっています。 グラフから、このトランジスタをベース接地したときの電流増幅率は約 0.9983であることが読み取れます。

*1:ベース接地のときはエミッタが入力、コレクタが出力となるので、 \alpha=i_c/i_e です。 エミッタ接地のときにはベースが入力、コレクタが出力となるので、 \beta=i_c/i_bです。 ベース電流 i_b、コレクタ電流 i_c、エミッタ電流 i_eの間には i_e=i_b+i_cという関係が成り立ちます。 これを i_b=i_e-i_cと変形し、 \beta を書き換えると、 \beta=i_c/(i_e-i_c)となります。 右辺の分母と分子を i_eで割ることで、 \beta=(i_c/i_e)/(1-(i_c/i_e) )=\alpha/(1-\alpha)の関係が導かれます。